中東情勢の緊迫化により、原油価格や資材価格が上昇。
こういった影響は、あらゆる会社の資金繰りにじわじわと広がっています。
政府も金融機関に対し、資金繰り支援の徹底を要請しています。
今回は「中東情勢で資金繰りが不安定に?いま使える融資制度と「考え方」」というお話です。
影響が出てからではなく、予兆で動く
融資・資金繰りを考えるうえで重要なのが、「早めに行動をする」ということ。
行動が遅くなることで、選択肢を狭めてしまうということは珍しくはありません。
中小企業庁でも以下のような支援措置を講じています。
- 特別相談窓口の設置
- 日本政策金融公庫が実施するセーフティネット貸付の要件緩和
要件緩和では、本来、「最近3か月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて5%以上減少等」など、
実際に数値に影響が出ている場合が対象とされていました。
ですが、現在は、要件が緩和され「数値要件」を満たさない場合でも、
「資金繰りに影響が出ている場合」、または、「今後影響が懸念される場合」といった「予兆の段階」でも対象とされています。
融資・資金繰りは早めの行動がカギとなる
「売上が落ちたら借りよう」
「資金繰りが苦しくなったら相談すればいい」
こう考えられている経営者の方も少なくありません。
ですが、「売上が落ちてから」「資金繰りが苦しくなってから」では、
時間に余裕がなくなる
↓
本業に集中できない
↓
結果的に資金繰りが悪くなる
といった悪循環に陥る可能性もあります。
日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)の要件にもあるように「社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方」が対象とされています。
「厳しくなったら」では、回復が見込めない状態に陥ってしまう可能性はゼロではありません。
そうなれば、融資を受けることができる可能性自体が低くなってしまうのです。
制度融資など「地域の動向」にも注目
日本政策金融公庫など政府系の金融機関だけでなく、地方自治体が実施している支援にも注目をしておきましょう。
例えば、大分県でも、経営・金融特別相談窓口が設置されています。
また、信用保証協会では、経営環境の変化などにより中小企業が経営安定に支障をきたしている場合に、一般保証枠とは別枠で保証をおこなうセーフティネット保証制度もあります。
まずは、「○○市 制度融資」などで検索をしてみましょう。
おカネは「困ったときに借りるもの」ではなく、「借りられるときに借りておくもの」です。
資金繰りは結果ではなく、「設計」が重要。
中東情勢の影響は、じわじわと会社に現れます。
だからこそ重要なのは、悪くなってから動くのではなく、「悪くなる前に動く」という視点です。
資金繰りは「後手」ではなく、「先手」で考えていきましょう。
そして、もうひとつ重要なのが、「要件緩和=誰でも借りられる」ではないという点です。
たとえ「予兆の段階」で対象となったとしても、
- 現在の資金繰りの状況
- 今後の売上や利益の見通し
- 借入後の資金繰りの変化
といった点は、これまで通り重要なポイントであることに変わりはありません。
要件が緩和されている今だからこそ、「なんとなく不安だから借りる」のではなく、
「どのような前提で、どう改善していくのか」を、根拠のある数字と行動計画で具体的に示すことが大切です。
この準備ができているかどうかで、融資の通りやすさや条件は大きく変わってきます。

