銀行融資には、銀行が単独で融資をする「プロパー融資」と信用保証協会が借入金の保証をしてくれる「保証付融資」があります。
信用保証協会が借入金の保証人となってくれるのが保証付融資です。
会社が返済不能に陥った場合に代位弁済をしてくれるというもの。
借りやすいという印象があるようですが、本当にそうでしょうか?
「プロパー融資」に比べると「保証付融資」の方が融資を受けやすいのは間違いありません。
ですが、この「保証付融資」、将来的にもっと審査が厳しくなるのでは!?と感じています。
今回は「信用保証協会の保証付融資は審査に通りやすい!?」というお話です。
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保証付融資とは!?
信用保証協会は全国に51か所存在します。
信用保証協会法に基づき、中小企業の資金調達支援をしています。
保証付融資の申し込み方法は2パターンあります。
1つ目は、「銀行を経由しての申し込み」。
2つ目は、「直接、保証協会に申し込む」という方法です。
保証付融資を受ける場合、銀行と信用保証協会の両方の審査を受けることになります。
会社が信用保証協会に保証料を支払い、銀行融資の保証人になってくれるため、銀行は融資をしやすくなるというメリットがあります。
ただ、保証協会には保証限度額が存在します。
基本となるのは、一般保証の無担保保証は8000万円、有担保保証が2億円です。
ただ、この保証枠は「このぐらいまでが限度」と会社の売上規模などで判断されます。
そのため、すべての会社が無条件で無担保保証8000万円の枠を使えるわけではありません。
(目安は月商の3~5か月分ほど)
保証協会の審査では以下のことが重要になってきます。
- 保証を受けるための条件(企業規模・業種・区域・業歴)
- 資金使途
- 売上規模(保証限度額に影響)
- 納税状況(税金を滞納していると保証を受けることが難しくなる)
- 決算内容
- 経営者の信用情報
保証を受けるための条件
保証を受けるための条件は一般社団法人全国信用保証協会連合会のホームページで確認することができます。
資本金の額や従業員の人数などの条件が記載されています。
一部の業種が除かれたりしていますが、大半の中小企業は条件を満たしているかと。
事前に確認をしておきましょう。
資金使途
融資を受ける際に資金使途が重要なように、保証協会から保証を指定いただく場合も非常に重要になります。
資金使途違反を一度でもした場合には、審査に通らなくなります。
設備資金の金額の変更や、融資実行前の購入なども資金使途違反になるので十分に注意が必要です。
何か変更がありそうな場合は、事前に相談するようにしましょう。
売上規模
売上規模は上述した保証限度額に影響を及ぼします。
だいたいの把握をしておくことが大切です。
納税状況
税金を滞納していると保証を受けることが難しくなります。
保証付融資の申し込みの際は、納税証明書の提出が必要になることをお忘れなく。
決算内容
保証を受ける場合には、決算書の提出が必要です。
銀行はもちろんですが、保証協会も財務内容を非常に重要視しています。
日々の経営成績の確認が重要です。
経営者の信用情報
経営者個人の信用情報にキズがあると保証を受けることが難しくなります。
- 日本信用情報機構(JICC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 全国銀行個人信用情報センター
上記の3社で個人信用情報を事前に確認しておくと良いでしょう。
保証付融資は受けやすい!?
プロパー融資に比べると保証付融資は比較的受けやすいというのがメリットとお話しました。
ですが、この保証付融資も近年、審査が厳しくなっているのでは!?と感じます。
全国信用保証協会連合会の信用保証実績の推移を確認すると、
保証債務残高が徐々に減少しています。
その原因として代位弁済の件数が増えていることが影響しているのでしょう。
令和になってからの代位弁済の件数は少しずつですが増加しています。
代位弁済は、保証協会が会社に代わって融資を返済したということです。
つまり、支払不能になる会社が増えているということになります。
2023年度は2022年度と比べて45.4%の増加。
コロナ禍の実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が始まり、返済ができなくなっている企業が増加しているものと考えられます。
支払不能の会社が増えれば、信用保証協会としても審査を厳しくしていく必要性が出てきます。
信用保証協会の財源が税金になっていることからも、今後の審査は今まで以上に厳しくなることが予想されます。
まとめ
今回は「信用保証協会の保証付融資は審査に通りやすい!?」というお話でした。
「プロパー融資」に比べると「保証付融資」の方が確かに受けやすいでしょう。
ですが、信用保証実績の推移から読み取れるように、
今後代位弁済の件数が増加していった場合、保証の審査を厳しくせざるを得ない状態になり得ます。
銀行融資は、受けれるときに受けることが必要です。
また、日頃の経営状態の把握に再度注意していくことが大切になります。
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