【銀行融資】ネット銀行がメインバンクである危険性

先日発表された帝国データバンクの「全国企業「メインバンク」動向調査（2024）」。
ここ数年でネット銀行をメインバンクとする中小企業が増えてきているとのこと。

ネット銀行は手続きも簡単なので、使う企業が多いのでしょう。
「簡単だから」、「便利だから」という理由だけで、ネット銀行をメインバンクにすることはやめましょう。

ネット銀行をメインバンクと据えておくのは、融資を検討するうえで、
デメリットがあるからです。

• 融資金利が高い
• 融資限度額が少ない
• 関係性の構築が難しい

これらを踏まえると、ネット銀行をメインバンクとするのはおススメできません。

今回は「【銀行融資】ネット銀行がメインバンクである危険性～帝国データバンクの「全国企業「メインバンク」動向調査（2024）」を見て～」というお話です。

ネット銀行のメリット

帝国データバンクの「全国企業「メインバンク」動向調査（2024）」によると、ネット銀行をメインバンクにする会社は、年々と増加傾向にあるとのことです。

2014年に比べると2024年は倍以上の4,197社がネット銀行をメインバンクにしています。
上位3社は「楽天銀行」、「PayPay銀行」、「住信SBIネット銀行」。

コロナ禍で急激に需要が上がったと考えられます。

ネット銀行のメリットは、

• 手続きが簡便
• 手数料が安い

ということが挙げられます。

手続きが簡便

来店不要で手続きが完結できるため、スピーディに口座を開設することができます。
通常、銀行で法人口座を開設しようと思うと、法人の情報を調べられます。
そのため、時間を要するのです。

ですが、ネット銀行であれば、口座開設までの時間を大幅に削減できます。

手数料が安い

ネット銀行として、手数料が安いことも挙げられます。
住信SBIネット銀行は、他行宛ての振込でも振込手数料は145円（税込）となっています。

この金額を見ても「安い」と感じられると思います。

ネット銀行をメインバンクにすることはおススメできない

ここまで、ネット銀行のメリットを解説してきましたが、将来的な資金繰りを考えると、
ネット銀行をメインバンクにすることはおススメできません。

• 融資金利が高い
• 融資限度額が少ない
• 関係性の構築が難しい

というデメリットがあるからです。

金利が高い

ネット銀行は、融資金利が高く設定されています。
もちろん、審査のスピードが早いというメリットはあるでしょうが、支払利息のコストを考えると、
資金繰りに悪影響を与えます。

融資限度額が少ない

ネット銀行は融資限度額少なめに設定されています。
数百万円～1,000万円を限度額にしているところが多いようです。

ですが、通常の銀行であれば1,000万円以上はもちろんですし、
1行から数千万円規模の融資も可能となるでしょう。

開業当初は、融資金額少なくても、資金を賄えることができる可能性がありますが、
会社が成長し、更にお金が必要となったときには、資金不足に陥る可能性が高くなります。

会社が成長すれば、おのずと必要な運転資金は増加していきます。
必要なときに、必要な金額が調達できないとなると、
会社にとっては大きなダメージになりかねません。

関係性の構築が難しい

通常、銀行との担当者とのやり取りを定期的にすることで、
会社の状態も定期的に報告することができます。

業績が落ち込む前に、早めの対処をすることも可能でしょう。

ですが、ネット銀行は、ネットでのやり取りが主となっています。

そのため、銀行との関係性が構築しづらく、
どうしてもドライな付き合いになりがちです。

会社の業績が好調ならまだしも、
業績が落ち込んだ場合に、積極的な支援を受けることは難しくなるでしょう。

まとめ

今回は「【銀行融資】ネット銀行がメインバンクである危険性～帝国データバンクの「全国企業「メインバンク」動向調査（2024）」を見て～」というお話でした。

ネット銀行は、利便性が高いので、
会社のサブバンクとして利用していくことはおススメしています。

ですが、メインバンクと据えるのはおススメできません。

• 融資金利が高い
• 融資限度額が少ない
• 関係性の構築が難しい

これらのようなデメリットがあるからです。
ネット銀行を利用して、ネット銀行の良さを享受しつつ、
メインバンクとして地域の銀行との関係性を構築していくことをおススメします。