銀行は決算書のここを見る!?

銀行融資を受けるうえで重要なのが決算書。
過去の実績を表すもので、銀行融資を受けている会社は、
決算が終わる都度提出をします。

この決算書、銀行融資で非常に大切な資料なのですが、
どこを中心に確認されているのでしょうか!?
最重要箇所を確認してみましょう。

決算書の数字をしっかりと確認することで、
財務体質を改善させるきっかけにもなります。

今回は「銀行は決算書のここを見る!?」というお話です。

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貸借対照表の場合

会社の財政状態を表すのが貸借対照表。
貸借対照表で何よりも重要なのが純資産です。

純資産の部は、貸借対照表の右下に表示されています。
この純資産は、今までの会社の利益が累積されていく場所です。

純資産の部の「繰越利益剰余金」÷「会社の期」をすると、
期平均の利益がどのくらいか確認することができます。

そのため、純資産の部がマイナスになっている状態、
つまり、債務超過の状態になっていれば、銀行からは「利益の出てない会社」と思われるのです。

負債が資産より多くなっているため、会社の全資産を売却しても負債が返済できない状態になっているのです。

次に、現預金の残高です。
手元の資金がどのくらいあるかは重要な指標になります。

たとえ利益で返済ができなくなったとしても、手元の資金が残っていれば融資の回収が可能になるためです。
最低でも月商の2~3か月分は保有しておきたいところ。
目標は月商の6か月分です。

最後に借入金の残高でしょう。
借入金の残高から債務償還年数はしっかりと確認されます。

債務償還年数は、借入金を返済し終わるまでに、
何年かかるのかを確認する指標です。

債務償還年数は、「借入金」÷「簡易キャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)」で計算できます。

損益計算書の場合

損益計算書は、会社の経営成績を表す資料です。
この資料で、まず確認すべき場所は営業利益経常利益でしょう。

営業利益は「売上高」-「売上原価」-「販売費および一般管理費」で計算されます。
この利益は会社の本業での儲けを表すのです。
ですので、この利益がマイナスだと本業で稼げていないことを意味します。

経常利益は「営業利益」+「営業外収益」-「営業外費用」で計算されます。
この利益は会社全体の総合的な実力を表すものです。

この2つの利益が黒字であることが重要になります。

次に「売上高」も意識しましょう。
利益はもちろん重要ですが、「売上高」も銀行は重要視しています。

売上は会社の収益の根源になります。
売上高利益率(売上に対する利益の割合)や売上高推移(売上が前期と比べて増えてるいるか?減っているか?)には注意をしておきましょう。

売上高営業利益率は「営業利益」÷「売上高」、
売上高経常利益率は「経常利益」÷「売上高」で計算できます。

ご自身の業種の平均的な利益率を確認しておくと良いでしょう。

売上高推移は、数字の比較だけでなく、
グラフで視覚的に見ておくことをおススメします。

最後に「当期純利益」です。

当期純利益は会社の1年の儲けを表します。
この利益に「減価償却費」をプラスした簡易キャッシュフローは借入金の返済財源になるのです。

そのため、この金額がマイナスになっていれば利益で返済ができないと考えれるのです。
返済ができないと考えられれば、銀行融資を受けることができません。

まとめ

今回は「銀行は決算書のここを見る!?」というお話でした。
貸借対照表も損益計算書も見る項目が多すぎると、どこに着目すべきか分かりにくくなります。

まず、優先的にチェックすべきポイントを押さえましょう。
貸借対照表は、「純資産」、「現預金」と「借入金」です。
損益計算書は、「営業利益」、「経常利益」、「売上高」と「当期純利益」です。

もちろん、他にも重要なところはありますが、
まず上にあげた箇所の確認をするようにしてみましょう。

数字意識が高まることで、銀行融資のタイミングを逃さないようにすることができます。
銀行融資は、業績が良いときこそ受けるチャンスです。
その機会をしっかりと確認することが大切です。

また、数字に強い経営者は、銀行から見ても非常に信頼性が高いと言えます。
銀行との関係性を構築するためにも、数字に強いことはプラスになるでしょう。

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この記事を書いた人

銀行融資支援に強い地方在住税理士

「お金の管理で自分(自社)を守る」
経理・税務だけでなく銀行融資支援や経理業務の効率化に強い税理士。

一般企業で経理職に4年、税理士法人で6年勤務した後、2024年10月1日独立開業。

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